アジサイ――大急ぎで挿し木を

今年は気候の遅れで、夏の挿し木の時期がおくれているが、新梢の先が生長を停止したので大急ぎで挿し木したい。
アジサイは、花の着いた枝は花の下一対の葉の所には芽がないのでその下二対、花の着かなかった枝は軟らかい先端を摘んでその下を二対の葉を着けて挿し穂とする。その側芽が来年の花芽となる。上手にそろった4芽が出来ると来年は一鉢に4つのそろった花が着けられる。適当に切った枝をバケツの水に放りこんで切り口や葉をぬらしてから二対の葉が着く様に、下の葉の下を長くして切り口を鋭い刃物で切りかえし、葉の半分を切ってコップの水に挿して日向におく。切り口に発根剤をつけたり、その水にメネデールとか発根剤を加えてもよい。出来るだけ日向におくほうが良いがしおれる様なら半日陰にする。芽の所は水に浸さぬように。
数日後あるいは発根してから赤土や砂あるいは鹿沼土で小鉢に挿す。発根すればすぐに葉はピンシャンとして側芽もふくらみはじめるので、すかさず薄い液肥を与えはじめる。水挿ししておいて調子がよいと1週間くらいで発根しはじめるので、小鉢に挿して1週間くらいで微量の追肥をはじめ、小鉢内に根が廻ったら4号鉢くらいに肥えた培養土で植えつけ、十分に日にあてると9月末には側芽が2センチくらいにはなる。挿した時の葉や芽がのびて出来た葉は出来るだけ霜にあてぬように管理する。余分に挿して芽のそろった苗だけ愛培すること。
   (辰野日報・昭和61年7月20日掲載)

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