せんてい[6]――幹枝の整理を優先(2)

カキとクリの葉芽は枝先の太った部分に付いており、品種によってつぼみを持った芽とそれをもっていない葉芽とは慣れれば区別できる。クリの場合は大概枝先に花芽があるが、先端の細くなった所には雄花ばかり多い。その下の枝先が急に細くなる手前の所に雌花も付いた花芽がある。従って枝先の細い部分は全部切り落せば、花盛りに樹冠が淡黄に一杯に花は咲かないが、三つグリの歩合の高い大きなイガ果が沢山付く。元気のよいクリでは、昨年の枝の急に細くなる手前の太い所に丸々としたつぼみを含んだ芽が3〜5個あるのが普通で、これを2〜3芽残せば毎年よい実を収穫できる。大木になると細部のせんていが困難になるので、高くなる太枝は2〜3年毎にカットバックと言って、大枝抜きをしなければならない。
カキの方も枝先の太い所に先の丸いどうかというと横幅も広い芽がある。先端まで充実した枝は3〜5つ以上の花芽があるが、それを全部残すと新枝は余りのびず、小さい柿の実となり、明年弱い枝でならない事が多い。従って枝先の方の細い所は、丸い大きな芽を2個程のこして先を切る。日陰になる細い枝はみんな切る。
ウメ、リンゴ、モモ等は花芽が丸く大きいので誰にもすぐ判別できる。去年あるいは一昨年の小枝の下向のもの、直上向は全部切る。梅、桃は昨年の枝を半分くらいに切りちぢめる。
   (辰野日報・昭和61年3月23日掲載)

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