シクラメン──正しい手入れ

水のやり過ぎはいけない。特にポリ鉢は一回十分に灌水したら花弁にさわっては軟らかい位になって灌水するのが無難である。鉢底を水に浸しておくのは根腐れの原因となる。また、底を水につけておいても上面迄は水を吸い上げない。鉢をアルミはくで包んであるのは、底をあけて排水をよくする。留守ですっかり乾いてしおれたものは逆さにして花や葉をそろえ新聞紙2〜3枚で巻きバケツ一杯の水に鉢を浸して1時間程おくと水をあげて姿がよくなる。毎日のチョイ水やりはいけない。
光線不足になると花の色も大きさも悪く、小さくなる。窓越しの日に半日はあてる。温度は最低5度位ほしい。寒い夜は大きなダンボール箱をかけておくのがよい。ポリ袋をかけた位ではすぐ冷えてしまう。肥料はうすい液肥を10日に一度やる位で十分。固形肥料を追肥しても土に埋めておかねばすぐには効いてこない。寒風にさらさぬこと。
古くなった花や黄味をおびてきた葉は早目につまんでパッと引き抜く。花柄の基部が残っているとそれから腐りが発芽点に伝染して株の一部が腐ってくる。1週間に1回はこの手入れを忘れてはいけない。
売店で華やかに咲いている鉢は高温多湿に育っているものが多いから求めてきたら1週間以上低温にあわせない。中心の若い葉がどんどんのびあがってくるのは高温すぎるから。急に新しい花が咲いてこず葉を分けて見ても若い蕾のない事がある。それは、栽培家の所かどこかで3度以下の低温にあわせ、幼蕾を低温枯死させたものである。水と肥料のやりすぎ、光線不足にくれぐれも注意を。
   (辰野日報・昭和60年1月18日掲載)

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