水草[1]──広い池では大きく

ハス 普通に食用にするハスは大型で、花数は少ない。いわゆるハナバスも広い池に植えると大きくなる。特に小さな水鉢でも栽培できるチャワンバスも、大きな池に植えれば大きくなる。大きくなったものは、やはり大きいハスノネができ、急に小さな容器で栽培しようと思っても、親根というか親茎が容器に入らないことになる。
小さな容器に植えつける親茎は、どこでも手に入らない悩みはある。昔、直径約15センチの親椀(わん)に見事に咲いたチャワンバスを見たことがある。このくらい小さく作れれば、狭い庭で大分多くの品種を楽しむことができる。関西にはチャワンバス愛好家が多い。なお、大賀蓮、別名古代蓮は種子で愛好家の間に随分と配布されている。何千何百年たっても生えぬわけではない。夏になって硬い種皮をヤスリや紙ヤスリで傷つけて水に浸すと、早い場合は4〜5日で発芽する。これを池や水槽の底の泥に植えつければ、栄養がよいと3〜4年で開花する。
ハスの花が、朝咲く時に音がする、しないは昔から論議の的だが、これは詩情にまかせておく方がよかろう。昔はいろいろの名蓮が愛好されたが、最近そうしたものへの欲求が盛りあがってきているようだ。
   (辰野日報・昭和59年8月12日掲載)
  写真撮影:青木繁伸氏(群馬県前橋市)

あなただけの大切な本を作ってみませんか―中央印刷がお手伝いいたします

箔を使った「風林火山」の扇子をつくりました。ご覧下さい。

園芸事はじめ/信州でガーデニングを楽しむためのエッセイ集