ハナショウブ[2]──水辺でなくても作れる

ハナショウブは水辺でなくても作れます。畑作りの方が花弁も強く、しっかりした花が咲きますが、この地方で7、8月に畑に植えても相当に遮光灌(かん)水しても活着が良くないので、芽の伸び始める早春に2、3芽の株分け苗を定植します。9月以降の改植は水辺畑共に冬に凍み上がって枯れたり弱ります。水辺植えは3、4年ごとに大株分けをする必要がありますが、畑作りは2年に一度は株分けと改植が必要です。株が大きくなると花数は増えても花は貧弱になります。肥料は有機質が多い方が良いです。遅い春の窒素肥料の多量施肥は葉が茂って茎花共に軟弱になって駄目です。花後の葉を刈ってしまったり、しっかり束ねてしまうのが見られますが、これは翌年の花を作ってくれませんから絶対にしてはいけません。また秋に葉が枯れると切り捨てますが、10月に入ったら葉先を束ねておき、枯れ葉は株の上に倒しこんでおくと、株の乾燥を防ぎ、翌年の花を良くします。葉を刈るような惨酷な人は人生でも惨酷であるかも知れません。花を愛する人は悪いことはできないと言われます。ただし、小生は花は商売のために作っているのですから念のため。
ハナショウブは日本の品種だけで2600品種といわれ、現在静岡加茂花菖蒲園では1600品種余集められています。日本花菖蒲協会も中断を抜いて50周年を先年迎えました。
   (辰野日報・昭和59年7月8日掲載)

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