寒さで枯れた小枝──思いきって整理を

今冬は寒さのために、庭木や垣根のマサキ(当地通称タマツバキ)等の常緑樹の葉や小枝が枯れた。葉の枯れたツバキ、イヌツゲ(通称ツゲ)も方々のが枯れている。これを放置すると生き残った部分から新芽を吹くが枯れ枝がじゃまになって、以後の枝の管理が手間を要する以上に、樹型が崩れてくる。
まず、枯れた小枝は一応全部切ってから枝の元気に生きている太さ2センチくらいの所まで切りこむ。切りこんだ枝の切り口が水々しくて時にはもう水を吹いてくる。切り口に水気がないようなら更に下の方まで切る。この切りこみが弱いと吹いてきた芽も弱く、次の冬に余り寒くなくてもまた枝先から枯れこむ。キリシマほかツツジも例年は葉が生きているのに今年は鶴峰公園をはじめ方々の庭で枯れている。これもこの際思い切って中枝くらいまで整理してやる。
ツツジとツバキは促効性の尿素等のチッソ肥料を株のまわり1平方メートル当たり盃2杯くらいをまいてやる。マサキで葉の多く枯れている木は当地では戦後に暖地から導入されたもので、寒さに弱いだけでなく、新芽が出て花の咲くころに虫がついて、葉も実も食い荒らし、その上にこの系統はまた、病にも弱い。
昔から当地に大木で残っている丸葉で光沢があり、よく実の着く系統は虫食いとスス病に強く、国の防災研究所の発表のとおり、最高の防火樹である。この系統は挿し木で簡単に発根するからこれを使おう。
   (辰野日報・昭和59年4月22日掲載)

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