梅と福寿草の手入れ──花が終わったら低温で日に当てて

梅や福寿草を正月に咲かせるには相当無理をしてあるので、後の手入れが悪いと明年楽しむことができない。普通には長い低温の冬を過ごしてから咲くのを急に加温したり、植えかえて咲かしたので非常に苦労して咲いたのであるから非常に弱っている。殊に花が終わりに近づいてもなお、高温の所において葉芽が伸びてしまったり、根を短く切り縮められて小さい鉢に植えこまれたのに水のみジャンジャンやっていたのではなお更に根腐れを起こしたり衰弱を重症にする。
花が終わったら戸外にほうり出さずに余り高温でない、少々凍ってもよいから低温の所で日には十分に当てて、4月上旬まで管理する。
長い梅の枝は花が散ったら早めに短く剪(せん)定し、込んだ所は根元から完全に枝の間引きをする。鉢植えを購入したものはただ鉢の中に詰めこまれただけのものもあるので、花後までに植えかえた方が安全である。肥料は4月に入って元気に芽をのばし始めるまではやらない方が安全である。根を短く切りつめてある福寿草は今年どれだけ努力しても、明年元気な花芽をつけることはできない。3月末になったら、庭の夏半日蔭になる肥えた所に植えつけて1、2年休ませることが望ましい。
   (辰野日報・昭和59年1月14日掲載)

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