移植[1]──水は適度に

今回は誤りやすい植えかえの復習です。近ごろは色々な苗がポットで作られ、また長く鉢植えを植え替えなかったのを地植えにしたり、大鉢に植え替えます。その時、根がポットや鉢の内側にしっかりまわっているのをそのままに植えかえる人がたくさんいますが、そのまま植えると新根は強く外側に伸びてくることはなく、特にツツジやシャクナゲの場合は小根がわずか外に伸びるだけで、風で倒れるほか冬にそのまましみあがって枯死する。
草花や野菜の苗等は軽くたたいて根をゆるめ、あるいは根をほどいて広げて植えつける。少し乾き気味にしておいて作業するがよい。また、前よりちょっと浅めに根元の根が露出する程度に植えつけることもポイントの一つ。風で揺れぬようしっかり支柱を立ててからドブドブにならぬ程度に水をやる。植える土が湿っていればしおれない限り半日、1日でもかん水を遅らせることもよりよい発根と培養土の良い状態を長く維持するために必要である。
   (辰野日報・昭和58年4月23日掲載)

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