マリーゴールド[1]──日さえ当たればどこでも

春植えて秋の霜まで花壇をかざる草花マリーゴールドは日さえあたれば相当なやせ地でも育つ丈夫な草花である。外国人は大好きなにおいだが傷つけると日本人には悪臭と感じるのが欠点である。大別して万寿菊アフリカンマリーゴールドという高性大輪種と、千寿菊フレンチマリーゴールドという草丈が低く枝分かれが多く花壇等に普通に見られる中小輪種に分けることができる。このほかに更に小輪のリネアーリスという種類があるが、普通には見られない。近年は1メートルくらいまでのびる万寿菊の方も草丈の低い系統が作られて大輪高性種といっても、草丈が50センチ以下で咲く品種がいろいろとできてきたが、花の大きさは10センチ以下であり、千寿菊より葉片も広い。
マリーゴールドの本来の花の色は黄色系で濃いオレンジイエローは赤かと思う。然し小型フレンチマリーゴールドは花の色は黄ばかりでなく褐色系の品種が多い。白花品種は要望されて久しく(50年余前から北米)苦労しているが、まだ完全な白色はフレンチ共にない。万寿菊の方はほぼ八重の品種が喜ばれるが、千寿菊の方は一重五弁花の品種が多い。無臭のマリーゴールドは米国で昭和15年ごろできて好評を博したものの普及していない。
   (辰野朝日新聞・昭和58年3月5日掲載)

あなただけの大切な本を作ってみませんか―中央印刷がお手伝いいたします

箔を使った「風林火山」の扇子をつくりました。ご覧下さい。

園芸事はじめ/信州でガーデニングを楽しむためのエッセイ集