八重咲の草花──一重の株は切り捨てを

草花には特に八重の花を楽しむものが多い。ジニア(ヒャクニチソウ)・ポーチユラカ(マツバボタン)・バルサム(ホウセンカ)は特に八重の花が美しい。ただし一重の株は元気よく種子もたくさんでき、それから種子を採ると来年は一重の株ばかりとなる。それで一重、半八重の株は今のうちに切り捨てる。残った株は日照がよくなり分枝して長く花を咲かせる。アスター(エゾギク)も花弁数の多い株を残して、これから採種するのがよい。
良い種子をとるには良い株を数株以上から混ぜて採ること。株数が多い程近親交配の害を避けることができる。最近の花種子は良いのが販売される反面に悪いものも多くなってきているのは残念である。
アサガオやコスモスの八重は採種が困難のために一重咲きの品種が一般的である。セロシア(ケイトウ)の類は花がトサカ状あるいは穂状の花が咲くが、種子のたくさんつく株は美しくないし、明年は更に悪くなるから抜き捨てる。
   (辰野朝日新聞・昭和57年7月31日掲載)

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