トマトの疫病──特効薬はボルドー液

例年は6月中旬以後にトマトやジャガイモの下葉から腐る疫病が発生する。夜間や雨の時20〜22度のしける時に発病する。今年はその発生期が20日もおくれてやってきた。予防法は花の裏に土がはねかえらぬようにマルチしてやること。予防治療法の特効薬はボルドー液で硫酸銅と生石灰共にやすい農薬である。調合が難しいといわれるが、そのとおり。ただし慣れないなら慣れるより致し方がない。標準量は水100リットルに対し、夫々50グラムずつ。生石灰を石灰乳にする時が大切。生石灰に小量の水をかけると発熱してふくらんでくる。更に水を追加し、ブツブツと泡が出なくなったらその量の10倍位の水を加えてよくかきまわす。この時迄は物凄い高温で火傷するので要注意。一寸静置後上の乳化液を調剤槽に移してから残量の水に硫酸銅を溶かした液を注ぎながらよく撹拌すると青い色のボルドー液ができる。よくできた液は翌日も余り沈殿せず使用できる。これに展着剤を加えてから噴霧器を使って葉の裏へかける様に噴霧孔を上に向けて丁寧にかける。効果は雨の前と雨中で、雨があがってからは効果半減。20〜22度の温度のある時は週に1回はかける必要がある。問題は質の良い生石灰の入手と余り小量ではよい調剤が出来にくい事。キュウリ・ブドウ・リンゴに使うボルドー液は薬量が異なるので後で。
   (辰野朝日新聞・昭和57年7月10日掲載)

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