果菜のならせ方──人工授粉は朝方に

カボチャとスイカは1番花と2番花を結実させたあと、つるばかりのびて収穫はおくれるし、まことに始末が悪い。特に本数が少なく、咲いた日が曇雨天の場合、結実しにくい。早朝から午前10時までが人工授粉の時間である。明日が雨天の開花期になりそうな時は、雌雄違う株のつぼみの先を軽く結えておき、翌朝授粉してやり、雨の時はまた花弁の先をしばっておくか袋をかけておくと完全に結実する。ポリ袋をとり忘れると、好天時は高温となり落果する。雌花はカボチャ、スイカ、ユウガオ等は雄花より大きく、ガク片の下に子房がついている。キュウリ類は授精しなくても結実することがある。メロン類は側枝の第1節に雌花が着く。受精が不十分であると変形果ができ、発育の悪い部分はうまくない。キュウリは朝採ったものが夕方はしなしなするくらいの若い時に収穫しないと上の幼果が育たず、曲玉型のキュウリとなってしまう。エンドウ、インゲン類も若いさやのうちにとらないと早く木が弱って枯れる。
   (辰野朝日新聞・昭和57年6月19日掲載)

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