苗の間引き──間隔を十分にとる

播いた苗を間引いたり移殖する最盛期である。苗の間隔が十分でないと生育は非常におくれる。地上部の茎や葉はお互がふれあうか、いくらか離れている程度であっても、土の中の根はもう大過密になっている。春の生長は早いので、間隔を拡げてやることは1日を争う急用な作業である。唯小さい苗が20センチも30センチも離れていると、育ちがおそい場合が多い。苗の大きさとその時の間引の間隔を一番たやすくのみこめるのはニンジンと大根である。ニンジンとダイコンは発芽後1週間以内に双葉の長さの倍の間隔に間引く。ニンジンでは3〜4センチ間隔となる。次の間引きはその間隔の草丈になった時に1本毎、一寸おくれたら3本毎に中2本を間引く。そうすると三寸ニンジンは60日で収穫できる。ハツカダイコンは特に早目に間引かないと棒根の株ができ食べられない。ダイコンも2回で20センチ以上の間隔に間引けば早く生長する。
草花も夫々早目に間引くことが必要。
   (辰野朝日新聞・昭和57年5月22日掲載)

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