種子まき 苗植え[1]──粗い土をかければ大丈夫

ジャガイモの覆土は4月末までに厚さ20センチ以上して以後土寄せはしない。種子イモの切り口に灰をまぶすのは切り口にコルク質の癒合組織を作らないため。そうしないと発芽に必要な貯蔵水分を失わせ収量減となる。小さく切って陰干しし、株間を狭く植えると小イモが少なく、大イモができる。こうすれば味も良く、暑い盛りの掘り取りも楽で、青イモもできない。
いろいろの種子をまくとき、細かい土を少しかけたのではすぐ乾いて発芽不良になる。バラまきすると覆土用の土を準備しなければならず、間引きも手間取る。大概の土は粗い土をかけると種子の10倍以上かけても大丈夫。まき床とか畦にとがった棒などをまき溝の倍ぐらいの深さにして、下の土塊や石などをはじき出す様にして2〜3センチのまき溝を作る。種子は丁寧に溝底にまかずとも高くからバラまきした後に、板切れなどで溝の間の土をかき落とせばよい。適当の深さの種子がよく生えて略、條播の状態になり、幼根も強くのびる。
   (辰野朝日新聞・昭和57年4月3日掲載)

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