正月用寄せ植え──庭や畑の雑草でも美しい

シクラメン等の花鉢で寒い冬を楽しむのは苦労を伴うが、冬も戸外で青々としている草物や小木を寄せ植えすると、案外に室内に緑を持ちこむことができる。最近はナズナやハコベ等の雑草を鉢植えにして楽しむことが都市では盛んになりつつある。ナズナやハコベの花も鉢で良く見ると、大変に美しいものである。何も高い金を払って松竹梅の寄せ植えを求めることはない。1本一株だけでは見栄えしない小さな草や常緑樹の実生、小さい挿し木苗を高低や細葉広葉のものをうまく配置すれば、芸術的な美しさも生まれてくる。
凍ると駄目になる夏の観葉植物は使わないことと、常緑樹でもナンテンは室内の乾いた空気では落葉するから避ける。1本では姿にならない松の小苗は、中心植えにも、添えものにも役立つが、サツキやツツジ類は落葉しやすい。生花の根じめに使うカンスゲやリュウノヒゲ等にマンリョウやヤブコウジの小さく、しかも赤い実のついたのを配置してもよい。日本のいわゆる古典植物の多くや斑物は特に良い材料である。ただイワヒバは冬は休眠させたいから使わない。アオキやマサキ類の斑のあるものは特に冬が良い。フキノトウは下の地下茎を3〜5センチつけて植えこむと立派である。
一応土を落とし、長い根を切ったのを鉢の中にならべ、乾き気味の土を根の間に丁寧に詰め、苔の類を張ってから、十分灌水すればできあがり、まあ数日日陰におくくらい。庭や畑の青い草でも植えて見ましょう。
   (辰野朝日新聞・昭和56年12月19日掲載)

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