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３月、どこのご家庭でもまきもののことを考えられると思います。
いまから８年ほど前、主人が八ケ岳のふもとの中村という部落の農家からもらってきて、家の庭に植えた植物があります。それは、春から秋まで、いつでもとって簡単にジャムができるルバーブという植物でした。
家の庭に、毎年生い茂るようになっても、３年ほどはそれが食べられるとは知りませんでしたが、ある年、主人にいわれてジャムを作ってから、その手軽なこと、おいしいこと、すっかりルバーブにひきつけられました。それからは来る年ごとに、夏じゅうルバーブのジャムを作っています。そして、こんなよい野菜が、日本のほかの家庭でキャベツやセロリのように食べられるようになれば……と願うようになりました。
まず、身近な人たちからと思い、家で苗を作ってはわけてあげていましたが、昨年、知人の青年が種子を２リットルほどとってくれましたので、ご入用のかたには、無料で少しずつおわけできます。
１度まくと、毎年出て来ます。１畳分くらい作れば、夏じゅう十分食べられ、イチゴやリンゴのように栽培がめんどうでなく、虫や病気がつきません。どんな家の庭先にも植えておかれ、観葉植物のようにみごとなこと、そしておいしいこと……。
長野県上伊那郡辰野町２００６ 吉江 美枝子 (主婦・４４歳)
ルバーブ (Rhubarb)＝丸葉(または食用)ダイオウ
原産はシベリア。馬ズイコを大きくしたような外観で、フキのように茎だけを切り、砂糖といっしょに煮ると、１０分ぐらいでジャムになります。(朝日新聞・昭和36年3月5日夕刊掲載)
- ルバーブの茎をよく洗い、１～２ｃｍのざく切りにします。（皮を剥く必要はありません）
- ホウロウ鍋にルバーブと砂糖を入れて鍋を振ってよく混ぜ、しばらく置きます。
- 中火に掛け沸騰したら弱火にして時々かき混ぜながら煮ます。アクがあれば取り除きましょう。
- 量にもよりますが、５分から１０分程度でルバーブの形が溶けて崩れてきますので、焦げないように注意しながら煮詰め、レモン果汁をお好みの量入れて火を止めます。
- 熱いうちにきれいなビンに詰めて出来上がり！
砂糖の量は控えめの方が、ルバーブの爽やかさが効いたおいしいジャムになります。
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ル バ ー ブ 事 件 |
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昭和36年3月5日の朝日新聞の「ひととき」欄に母の「ルバーブのジャムはいかが？」のエッセイが載った途端に、ものすごい反響がありました。
種子を分けて下さいという手紙が数千通も我が家に殺到し、手紙の束が山となって積み上がりました。
封を開け、返事を出す作業に明け暮れしました。用意した種子では足りず、父が新たに種子を取り寄せたりもしました。
これが我が家の「ルバーブ事件」です。
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ルバーブのジャムはいかが？